【田舎移住】古民家暮らしをおすすめできない5つのデメリット

田舎へ移住を考えた時、古民家暮らしに魅力を感じる人は多いと思います。
都会の喧騒を離れ、ゆっくりとした時間を過ごす。自然との調和を感じながら生活ができる。などといったメリットがある一方で、デメリットもあります。
むしろ、デメリットの方が大きく、それらを解消すると古民家暮らしの魅力がなくなってしまうことも考えられます。
本記事では、古民家暮らしにおけるデメリットについて紹介し、田舎移住や古民家暮らしを考えている人の一助にすることができます。
私は・・・
- 古民家暮らしのデメリット
- 古民家暮らしに向いている人
1|古民家暮らしのデメリット
1-1|リノベーションが必要
1-2|断熱性が低い
1-3|耐震性が低い
1-4|家が広すぎる
1-5|害獣による被害
2|古民家くらしに向いている人
3|まとめ
1.古民家暮らしのデメリット
まず古民家暮らしのメリットを考えてみます。
- 雰囲気がいい
- 昔の素材建築されているため身体に優しい
- 家が広い
- 天井が高く開放感がある
- 購入価格が安い
これから説明するデメリットは、上記のメリットをなくしてしまったり、メリットが逆にデメリットになってしまう場合です。
1-1:リノベーションが必要
古民家は伝統的な建物ではありますが、キッチン・トイレ・風呂等の水回り、外壁、屋根等の各設備は昔のままです。
住み慣れた人ならともかくとして、現代の快適な家に慣れている人にとっては、非常に住みにくい家となっています。少なくとも、現代の家よりは不便になります。
建物の雰囲気を維持しつつ、古い設備による不便を解消するためには、リノベーションが必要になります。
リフォーム
原状回復のための修繕・営繕、不具合箇所への部分的な対処。リノベーション
リノベる。
機能、価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した包括的な改修。
リノベーションは、自分で実施、業者に依頼の選択になりますが、業者に依頼する方が確実です。その場合、費用がかかるのでご自身の予算と相談して検討しましょう。
Panasonic によると、古民家の各設備や諸々を含めた工事費用は500~2500万円程になります。


古民家で快適に暮らすには、お金がかかります。
1-2:断熱性が低い
現代の住宅では、住宅全体に断熱材を敷き断熱性を高めています。
また窓や玄関等の開口部に対しても、断熱性の高い窓、玄関ドアを採用し断熱性を高めています。住宅だけではなく、窓や玄関ドアも断熱に関する技術の進歩があります。
断熱の重要性
断熱性の高い家は、冷暖房効率が向上することはもちろん、空調のない部屋でも一定の快適性が保たれます。また、部屋の温度差が少なければ結露も発生しにくく、カビやダニの防止にも効果的です。
Libook
古民家は断熱性を高める対策が施されていません。
加えて家全体が広く、天井が高いため断熱をしなければいけない空間が広いです。断熱性が低いと冷暖房のランニングコストが高くなります。

家が広い、天井が高いといったメリットが、逆にデメリットとなります。
古民家が建築された頃の、ひと昔前の気候であれば、問題なく暮らせていたかもしれません。ところが、最近の気候は異常気象が多く、気温も極端になってきています。
住宅の断熱性を高めることは、快適な暮らしの必須条件と言えます。必要に応じて断熱性を高めないと快適な暮らしは難しいでしょう。
ハレノヒ住まいによると、断熱工事の相場は500~1000万円になります。家の広さや断熱する場所にもよりますので、予算と相談して検討しましょう。
1-3:耐震性が低い
古民家は伝統的な木造建築ですが、現代の木造建築とは地震に対する考え方が違います。
簡単に説明すると、古民家は免震構造、現代の木造建築は耐震構造を採用しています。そのため、古民家を耐震診断をすると0点になります。現在の基準と異なるからです。

簡単にいうと、古民家の伝統構法は、地面と住宅を切り離し地震の力を逃がす構造。
現代の住宅の在来構法は、コンクリートの基礎と土台を連結し、柱と梁や筋交いによって耐震強度を高める構造です。
耐震性に不安があれば、耐震強化工事をしなければならず。費用がかさみます。
一方で、伝統構法の何十年も地震に耐えてきたという実績も無視できません。古民家の耐震技術は現在の基準では測れない良さがあるかもしれません。(実際には大きな地震が無かっただけかもしれませんが)
耐震強化工事をすれば、古民家らしさは少なくなります。屋根や壁を変える必要があるからです。筋交いをするために、柱が必要になるケースもあります。
何故古民家に住みたいのか、地震の不安にために古民家らしさを捨てるかどうか検討したほうがよいでしょう。

耐震性が気になるという方は、そもそも古民家には住めないということになります。
1-4:家が広すぎる
古民家は部屋数が多く、天井が高く開放的で、伸び伸びと生活を送ることができるという都会暮らしには無いメリットがあります。
しかしこのメリットは、考え方によってはデメリットになってしまいます。
古民家は、親子二世帯、三世帯家族が住むことを前提に造られているため、大きな造りになっています。ところが、田舎移住する人のほとんどは、核家族や独身です。
そうすると、家が広いということがデメリットとなります。
まず家の維持・管理が大変です。定期的に掃除をしたり、庭の雑草を除去したりと、広い家のため、維持・管理に時間や労力がかかってしまいます。
また古民家は断熱性が低く、空間が広いため、夏は家が冷えにくく、冬は家が温まりにくくなってしまいます。現代の家と比べて、冷暖房を余計に使用する必要があるため、電気代がかかります。
さらには目の届かない箇所が多くなるので、セキュリティも心配です。
このように広い家を維持・管理しようとすると、時間・労力・費用がかかることを頭に入れておかねばなりません。若いうちは何とかできるかもしれませんが、年をとってからも同じことを続けられるかを想定しておくと良いです。
1-5:害獣による被害
長く放置された古民家は害獣の住処になっている可能性があります。
害獣は外敵の少ない屋根裏や軒下等に定住し、家屋の損壊や衛生環境を悪化させる等の被害をもたらします。
また木造の古民家にシロアリが住んでいると、シロアリが木を食べ、建物の強度が極端に落ち、耐震性が低くなっている可能性もあります。
害獣は鳥獣保護法により捕獲・殺傷が禁止されているため、害獣駆除業者に点検してもらうのがよいでしょう。シロアリについても専門業者に確認してもらいましょう。
古民家は現在の木造建築とは違うので、実績のある信頼性のある業者に依頼した方が良いです。古い構造物に対応できる駆除業者もいます。
詳しくは下記の記事で紹介しているので、参考にしてみて下さい。
【田舎暮らしの天敵】害獣の特徴と駆除業者10社比較【2023】

信頼性の高い、プロの害獣駆除業者に依頼しましょう。
2.古民家暮らしに向いている人
上記で紹介したデメリットを許容できる人が、古民家暮らしに向いている人と言えます。
古民家暮らしに向いている人
・家に快適性を求めない人
・家の維持・管理に時間をかけれる人
・耐震性を求めない人
・収入・資産が多い人
古民家暮らしに向いていない人
・快適な家に住みたい人
・家の維持・管理に時間をかけたくない人
・耐震性を求める人
・収入・資産が少ない人
古民家に住むためには、ある程度の不便を許容するか、リフォーム・リノベーションをして住むかになります。
3.まとめ
古民家をおすすめできない5つのデメリットについて説明しました。
5つのデメリットについて問題を解消しようとすると、多額の費用がかかってしまったり、古民家らしさが失われる可能性もあります。
安価で雰囲気がいいという理由で古民家に住もうとすると、逆に費用がかかり、考えていた雰囲気でなくなるという本末転倒な結果になりかねません。
もう一度何故古民家に住みたいかを考え直し、妥協できる点についてはある程度我慢しながら生活することを視野にいれましょう。
安価である程度の快適性があればよいと考える人は、下記の記事もおすすめします。